マンションを売却するにあたって、買主側から値引き交渉を持ち掛けられることがあります。 ですが、値下げ交渉をされても値引きしなければならないという訳ではありません。 売主が価格の根拠を提示して納得してもらうことで、値引きせずに売却できることもあります。
マンションを売却する時に行われる値引き交渉について、対応方法などを順に解説していきます。 マンション売却について知りたい方は、「マンションの売却の流れ|費用や注意点についても徹底解説」の記事をご覧ください。
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マンションの売却で値引き交渉をされるのか
そもそもマンションの売却において、なぜ値引き交渉をされるのかについて知っていきましょう。不動産の売買に値引き交渉はつきものですが、絶対に値引きをしなければならないわけではありません。
しかし、実情としては値引き交渉をされることがほとんどであるため、どれくらいの確率で交渉が行われるのか、また値引きの相場はいくらくらいなのかを知っておきましょう。
値引き交渉される確率
マンションに限らず不動産の売買において、値引き交渉は度々行われているのが現状です。その理由に、買主としてはできるだけお得にマンションを購入したいという心理が働いていることがあげられます。
マンションの購入には数千万円から場合によって数億円もの費用がかかることも多く、少しでも出費を抑えるために、買主は値引き交渉をすると考えましょう。
また、売主は高く売りたい一方で、少しでも早く、確実に売りたいと考えています。つまり、値引き交渉を断ると、次に買主が見つかるという確実な保証はなく、売れるときに売ってしまいたいと考える人もいることから、買主は積極的に値引き交渉を行うことが多いでしょう。
場合によっては値引き交渉なしで、売主が提示する金額のまま契約に至るということもありますが、少しでも安く買いたい、売主としても少しでも早く売りたいという心理から、値引き交渉が起きる確率は非常に高いといえます。
値引き金額の相場はいくらか
統計的には、売り出し価格から見ると実際に売れた価格は約8~9割になるようです。つまり、売り出し価格の約1割が、交渉によって値引きされると考えられます。 具体的には、物件価格の端数を値引きするのであれば、数十万円単位から数百万円単位という金額で、かなり高額な値引きが必要になります。
ただ、実際のところは、売主と買主による交渉次第で決定される金額であることに加え、物件価格の幅も広いため一概に言えないのが現状です。
例を挙げると、前述のように物件価格の端数が値引きされていたり、物件の一部をリフォームする費用分が値引きされているケースがあります。
また、ハウスメーカーや不動産会社などの法人からマンションを購入する場合は、消費税分が値引きされることもあるようです。
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値引き交渉のパターン
マンション売却時における値引き交渉のパターンとしては、次の3つがあげられます。
- 端数を切り落とす
- お互いの妥協案
- リフォーム代金の負担をする
それぞれで値引きの内容や金額が違ってきます。また、交渉の内容自体も変わってくるため、それぞれの違いを把握しておきましょう。
端数を切り落とす
値引き交渉では、端数を切り落とすことがあります。例えば売却価格が3,980万円なら、80万円を端数ととらえ、3,900万円で売却するなどの場合があります。
端数を切ることでお得感を出しやすくなり、買主の購入意欲をかきたてやすいでしょう。また、キリのよい数字にすることで、それ以上の値引き交渉を防ぎやすいというメリットもあります。
ただし、結果的に大幅な値引きになってしまいそうな場合は注意が必要です。
例えば1億1,000万円で、1,000万円を端数としてしまうと、1,000万円もの値引きをして売却することになり、売主は損をしやすいです。
お互いの妥協案
買主はどこまで値引きしてほしいのか、売主はどこまで値引きができるのかを提示し合い、お互いの妥協点で値引き額を決めるという方法もあります。
例えば買主が100万円の値引きを希望し、売主が20万円までしか応じられないとします。妥協点を取るなら、中間の50~60万円程度を値引きすることで、買主の希望もある程度は満たせ、売主としても大幅な値引きをせずに済むため、痛手は少ないでしょう。
それぞれの妥協点を探せる場合は、中間の条件で値引きをしたほうがスムーズに契約がまとまりやすく、双方合意のうえで契約もしやすくなります。
リフォーム代金の負担をする
買主が購入後にリフォームをしたいと考えている場合は、リフォーム代金を売主が負担することで、値引きを実現するという方法もあります。
例えば壁紙や床の汚れが気になるなどの場合は、売主がそのリフォーム代金を負担することで、実質的な値引きを行います。リフォームの内容によって負担する金額は異なりますが、壁紙や床の張り替えなら、10~30万円程度で済むことも多いでしょう。
買主としては理想的な状態で住むことができ、売主は一定程度の金銭的な負担で売却できることがメリットです。リフォーム費用を負担することで、お買い得な印象を与えやすいですが、この代金が大きくなりすぎると、売主にはデメリットとなるため注意が必要です。
マンション売却で値引き交渉される理由
不動産の売買において値引き交渉は度々行われていますが、中には値引き交渉を持ち掛けられることなく売り出し価格そのままで売却できることもあります。
また、物件の築年数や販売状況によっては、値引き交渉として狙われやすいマンションもあります。なぜ値引き交渉をされるのか、その理由を知って、マンション売却の参考にしましょう。
売り出してからの期間が長い
マンションの売却に要する期間は、平均で約6カ月間必要だと言われています。しかし、売り出すタイミングを誤ったり価格設定が高すぎることなどが原因で、なかなか売れない状況に陥ることもあります。
このような場合、売主はできるだけ早く売りたいという心理が働くため、買主はその心理を突くように値引き交渉しやすいと考え、値引き交渉の対象として狙われやすくなります。
また、長い期間売れない状態が続くと、買主が現れやすくするために、仲介を依頼している不動産会社から価格設定の見直しを提案されることもあります。
築年数が古いマンション
マンションは、例え新築であっても、誰かが一日でも住めば中古マンションという扱いになり、資産価値が約2%下落すると言われています。 また、築1年のマンションでも、たった1年で約10%も資産価値が下落し、築15~20年で約半分の資産価値となってしまうのが現状です。
このような状況から、築年数が古いにも関わらず、強気な価格設定でマンションを売り出すと、買主が長い間現れにくいだけでなく、値引き交渉の対象として狙われやすくなると言えるでしょう。
しかし、駅からの距離が近いなどの立地条件が良ければ、築年数が古くても強気な価格設定で売却できることもあります。
売り出してから価格の値下げがないマンション
物件の築年数が古かったり設備に不具合がある場合などは、比較的値引き交渉の対象として狙われやすいと考えられています。 しかし、物件の状態は良くても、売り出してから一度も値下げされていない物件も買主から値下げ交渉の対象になりやすくなる傾向にあります。
売主側に物件の価格を値下げしたくない理由がある場合も考えられます。
例えば、物件の周囲に墓地などの嫌悪施設があったり、周辺で大きな事件や事故が発生している場合は、売り出してから一度も値下げをしていなくても、これらを理由に値引き交渉の対象として狙われやすくなると言えるでしょう。
値引き交渉を受ける時の注意点
値引き交渉を受ける場合は、次の3つの点に注意しましょう。
- 意地を張りすぎない
- 不動産会社が味方とは限らない
- 思わぬストレスを感じることがある
これらの注意点を把握していないと、損をすることも少なくありません。損なくマンションを売却するためにも、注意点は正しく理解して、値引き交渉に応じることが大切です。
意地を張りすぎない
値引き交渉は断ることもできますが、意地を張って値引を断っていると、金銭的な損をすることも少なくありません。意地を張って条件を下げずにいつまでも売れ残ると、その間の固定費を支払い続ける必要があります。
住宅ローンを組んでいる場合は、その支払いがあり、マンションなら管理費や修繕積立金、駐車場を借りている場合はその代金も支払いが必要です。また、固定資産税の支払いもあり、売れ残る期間が延びるほど、金銭的な負担は大きくなるでしょう。
これらの出費を考えると、早めに手放したほうが結果的にお得になることもあります。多少値引きをしても、将来的にかかる費用よりは安いこともあるため、無理のない範囲で値引き交渉に応じ、マンション維持にかかるコストを削減することも大切です。
不動産会社が味方とは限らない
値引き交渉に応じるかどうかは不動産会社と相談して決めることが大切ですが、必ずしも自分の味方をしてくれるとは限りません。不動産会社は売買の成立によって成功報酬である仲介手数料を得ています。
つまり、少しでも高く売るよりも、早めに売却して確実に報酬を得ようとする場合もあり、値引き交渉に素早く応じるように指示して、売主に不利な条件を提示してくることも少なくありません。
不動産会社と相談してどこまで値引きをするのかを考えることは大切ですが、相手の言っていることをすべて鵜呑みにはせず、譲れない条件がある場合はそれを説明して、納得できる価格での売却を目指しましょう。
思わぬストレスを感じることがある
買主はマンションの不備や欠点を指摘して値引き交渉を行うことが多く、それを聞き続けることで思わぬストレスを感じることもあるでしょう。
自分がこれまで住んでいた大切なマンションを批判されている気持ちになってしまうこともあるため、買主の指摘には耳を貸しすぎないようにして、値引き交渉自体も長引かせないことが大切です。
値引き交渉をするということは、買主としてもそのマンションに住みたいと考えており、単純に安く買いたいという理由で、マンションの不備や欠点を指摘しているにすぎません。
つまり、自分がこれから住むかもしれないマンション自体を批判しているわけではないため、買主による指摘は、あくまで交渉の材料として提示されているものと考えてもよいでしょう。
値引き交渉を受ける前のポイント
マンションの売却を成功させるには、値引き交渉を受ける前に考えておきたいポイントがあります。
- 値引きを前提に相場を意識した価格にする
- 時間に余裕を持つことが大切
- 比較できる立場が有利
- 買い手に購入目的を聞く
- 素早い連絡を心がける
これら5つのポイントを意識することで、値引き交渉をスムーズに終わらせやすく、希望する条件での売却も果たしやすくなるでしょう。
値引きを前提に相場を意識した価格にする
不動産売買では値引き交渉が行われる可能性が高いため、値引きすることを前提に売り出し価格を設定するのがおすすめです。売り出し価格を理想とする売却価格よりも高くしておくことで、多少値引きをしても希望する金額で売却しやすくなります。
例えば、2,000万円での売却を求めるなら、売り出し価格を2,200万円や2,300万円程度に設定しておきます。高めの金額設定にすることで、仮に端数を切ったとしても当初の希望価格で売却でき、買主も値引きをしてもらったという満足感が得られるでしょう。
ただし、売り出し価格を高くしすぎると、そもそも内覧に来てくれる人が少なくなってしまうというリスクはあります。そのため、どの程度の金額で売り出すかは、相場を確認したり、不動産会社と相談したりして決めるとよいでしょう。
時間に余裕を持つことが大切
売却期間には余裕を持つことが大切であり、スケジュールは長めにとって売却活動に臨みましょう。値引き交渉に応じて条件を下げて売却してしまう理由の1つに、売り急ぎが考えられます。
売主としても素早く手放したいことから、多少不利な条件でも合意してしまい、結果的に安売りして損をすることは少なくありません。売却期間に余裕があると、無理な値引きを求める買主は断りやすく、より好条件で買ってくれる買主を探せます。
売却までの期間に余裕がないと、無理な値引きも受け入れざるをえなくなってしまうことがあるため、時間には余裕を持つためにも、売却活動は早めに準備して進めていきましょう。
比較できる立場が有利
交渉をする際には比較できる立場が有利であるため、より多くの内覧希望者を受け入れることがおすすめです。複数の人が購入したいと考えているなら、その中からもっとも条件のよい人を選んで売却しやすくなります。
複数人の条件を比較することで、どれくらい値引きすると適切なのかが判断しやすく、売り損も防ぎやすいでしょう。比較する選択肢を増やすには、場合によっては自分でも買主を探せる一般媒介契約に切り替えて売却活動を進めることもおすすめです。
一般媒介契約は個人でも買主を探せ、かつ複数の不動産会社も利用できるため、条件の比較はしやすくなるでしょう。
買い手に購入目的を聞く
買い手になぜそのマンションを購入したいのか目的を聞くことも、交渉を有利に進めるためには重要です。例えば居住用で購入したいと考えるなら、実際に住むにあたってどのような点が魅力なのかをアピールすると、無理な値引き交渉も断りやすくなるでしょう。
住んでいるからこそわかる魅力を伝えることで、物件の価値をより大きく見せやすく、交渉時にも強気に出られます。購入目的を明らかにすることで、どのような魅力を伝えるとよいのかがわかり、適切なアピールをすることで、交渉も有利に進めやすいでしょう。
素早い連絡を心がける
買主との連絡には素早く反応することが大切であり、スムーズに購入手続きが進められるようにしておきましょう。連絡がスムーズだと、買主にかかる負担やストレスも少なく、好印象も与えやすくなります。
売主の印象がよいと、交渉も穏やかに進みやすくなり、お互いに納得できる点で取引を成立させやすいでしょう。なかなか連絡がつかない、買主が求める情報を素早く開示しないなどの不手際があると、印象が悪くなって交渉が難航することもあります。
マンション売却では、マンション自体の魅力はもちろん、売主の印象によっても条件が左右されることが多いため、素早いレスポンスで好印象を与える工夫をしましょう。
値引き交渉に賢く対応してマンションを高く売却しよう
マンションを売却する時には、度々値引き交渉が行われています。そのため、売主としては値引きせずに売却したいところですが、値引き交渉があることを踏まえた価格の設定をするなどして売却を進めていくようにしましょう。
また、買主が複数現れた際に値引き交渉を持ち掛けられた時には、販売価格に近い金額で購入してくれる人に売却したい旨を伝えると、買主側も販売価格もしくは、最小限の値引きで購入の意思を固める可能性が高いと言えるでしょう。
不動産の売却価格は、あくまでも交渉の上に成り立つ価格であるため、必要以上に下手に出る必要もありません。従って、マンションを売却する時の値引き交渉は、破格な金額でなければ、できるだけ対応して高値での売却を目指しましょう。
もっと詳しく知りたい方は、「マンションを売却する流れを解説!注意点と費用も確認しよう」の記事をご覧ください。
また、「マンション売却のときの専任とは?メリットデメリットやおすすめ理由を紹介」 という記事や、 「マンションを売却する前にリフォームは必要かリノベーションすべきか」 という記事もご覧ください。 他にも以下の記事をご参考にしてみてください。