認知症になった際の不動産売却は可能?制度をわかりやすく解説

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親が認知症になり、判断能力が無くなったときに、不動産の売却はどうなるのかを解説します。代わりに売る手順は、通常の不動産売却とは大きく違います。違う点などを押さえておき、認知症になったときにどうするのかを考えておきましょう。

日本で認知症は2025年には700万人を突破すると言われており、それと共に不動産の取り扱いも社会問題化する可能性を秘めています。今現在あなたの親がもしも認知症になってしまったと仮定して取るべき手段を知りましょう。

通常認知症の場合には不動産売却はできません。正当な判断能力がないと判断されたケースでの勝手な不動産売却は無効になります。認知症になると、付き添いで一緒に住むか、老人ホームなどの施設に入れる2択を迫られるでしょう。

家族が取るべき行動について整理しておくと良いです。 家族会議などをして認知症になる前に対処するのが正しい方法です。もしも認知症になってしまったときの方策を知っておき備えておく知識になります。

不動産売却について知りたい方は、「不動産売却にかかる期間と売却に影響するポイント」 の記事をご覧ください。

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認知症が進行すると通常の不動産売却はできない

大前提として知っておきたいのは、自身が認知症の場合、法律により不動産売却は無効となります。なぜ無効となるのか、不動産売却ができないのかなど、その理由を知っておきましょう。

「意思能力」がないと取引が無効になるから

認知症などで意思能力がなくなり、不動産取引をした場合、その取引は法律により無効です。意思能力とは自分の行動がもたらす結果を、正しく判断できるかどうかという点で見られています。

つまり、不動産取引など法律上の判断を行った際に、売却や購入などをした場合の結果を正しく判断できない状態が、意思能力がない状態です。

中程度の認知症での法律行為そのもので、裁判では無効になる判例がでています。認知症での取引が無効となるのは、意思能力がないと判断されるからです。

仮に認知症の中程度を超えて意思決定能力が明らかに劣っているとき、全ての法律行為そのものが無効になり、不動産取引もこれに含まれます。他には、預金を引き出したり、遺産相続を決めたりする行為も同様に無効になります。

認知症になった人が仮に代理人を立て委任状を書かせ不動産売却をした場合にも、その取引は無効となり、不動産売却をすることができません。

親が認知症のため、子が老人ホームに入れる手続きを行うという理由であっても勝手に住居を売り払う行為そのものが無効となります。認知症になるとその所有物は、親族であっても勝手に財産を取り扱うことができなくなります。

医師の診断で意思能力の有無を判断しよう

親が認知症になっているかいないかの判断は必ず医師が行います。認知症と言っても程度があり、軽症の場合には意思決定能力があると判断されます。例えば自分の名前が書けるが人の名前が覚えられない場合や、自分の家族のことについてはしっかりと覚えているなどです。

意思能力の判断は医師に任せる必要がありますが、基本的には自分の氏名や生年月日、住所などを答えることができ、自分の財産をどのように処分するのかを、所有者本人からいうことができるなら、意思能力があると考えてよいでしょう。意思能力は小学校高学年程度の判断能力があると認められます。

中程度の認知症で意思決定能力がないことを医師に証明してもらってから、認知症で行った法律行為が無効になります。医師の診断書があるときに初めて、認知症の疑いで制度を利用できるようになります。

したがって認知症の疑いがある不動産売却をしてしまった親に対しては、まず病院に行き診断書をもらう必要があります。同時に家庭裁判所への申し立ての仕方を覚えておくと良いでしょう。

認知症により無効になった不動産売却の事例

実際に認知症によって無効になった、不動産売却の事例をチェックしていきましょう。事例を参考にすることで、どのようなケースで不動産売却が無効になるのかがわかります。ケースごとの違いや売主の状態などを知り、どのような場合に無効になるのかを知っていきましょう。

事例1

90歳の高齢者が不動産売却をした事例では、売買契約締結後に契約が無効となっています。一度は不動産を売却したものの、売主に不利な条件となっており、売主自身はそもそも契約をしておらず、売却代金も受け取っていないと主張しています。

また、もし売却代金を受け取っていたとしても、契約時点で意思能力が欠けていたため、契約は無効という主張が通りました。裁判所は賃借人に電気代や水道代を請求せず、それら金額の計算能力などに問題があると判断しています。また、医師から認知症だという診断を受けていることもポイントです。

これらの点から契約時点で意思能力がなかったと判断され、売却済み物件の所有権移転登記の抹消を行い、不動産売却が無効となっています。

事例2

意思能力がないものが土地と建物を売却し、購入者が第三者に転売したケースでも、不動産売却が無効となっています。最初の売主が認知症であり、売却によって起きる結果を正しく判断できなかったことから、裁判所は意思能力の欠如を認めています。

裁判所によって意思能力の欠如が認められたことにより、所有者からの不動産売却だけではなく、その後第三者に売却した契約も無効となっている点が特徴です。つまり、手放した後の転売契約も無効となり、かかわる不動産取引のすべてが無効と認められています。

事例3

土地の売却を行ったものの、所有者に意思能力がなかったと判断され、取引が無効となっています。売主が認知症であり、意思能力がなかった点に加えて、売主自身に不動産を売却する必要性がなく、公序良俗に反することからも、取引の無効が認められています。

売却の必要性がなく、売主にとって不利な条件での契約であったこと、そもそも売主が認知症であり、意思能力が欠如していたことから、契約が無効になったといえるでしょう。

親の認知症が進行する前にやっておくべきこと

不動産などの資産の処分や円滑な管理を考えるなら、親の認知症が進む前にやっておくべきことは多数あります。

  • 生前贈与
  • 家族信託
  • 任意後見制度

これらの方法を利用して、親が認知症になった場合の資産管理に備えましょう。

生前贈与

親が死亡した場合は相続によって子が親の不動産を取得できますが、生前に贈与をして所有権を親から子に移すことも可能です。生前贈与は親の意思能力が十分にある場合におすすめの方法であり、今後親自身で不動産などの管理が難しくなると判断したなら、早めに行いましょう。

生前贈与をすることで、贈与を受けた子は自由に不動産を処分でき、家に住んだり、売却したりする際に親の同意が必要がありません。生前贈与をする際には、贈与契約書を作成し、双方が合意する内容を定めて不動産の引き渡しや所有権の移転登記を行います。

重要なのは双方が合意しているということであり、贈与する親はもちろん、贈与される子の同意も必要です。生前贈与をするかどうかは、親子間でよく話し合っておく必要があるでしょう。

また、贈与契約書を作成する際には弁護士に依頼することがおすすめであり、専門家に任せることで手続きの不備や贈与後のトラブルなどを回避しやすくなります。注意が必要なのは、贈与が行われると資産の価値に応じた贈与税がかかる場合があるということです。

年間110万円以上の贈与があると贈与税の課税対象となるので、不動産の評価額を把握して、税金がいくらかかるのかを事前に計算しておく必要があります。

家族信託

もし親が不動産や財産の管理ができなくなった場合に備えて、事前に家族信託をすることも選択肢の1つです。家族信託とは、所有者が家族に不動産や財産の管理、処分などが行える権利を委託できます。

親に意思能力がある場合は親が不動産を管理しますが、意思能力が欠如した際には信託を受けた家族が代わりに不動産の処分や管理を行える点が大きな特徴です。現在は親自身が管理できるものの、今後認知症などの進行リスクがあり、将来の財産管理に不安がある場合には家族信託がおすすめといえます。

家族信託では信託を受けた人が親の利益になるように不動産などの財産を管理や処分、運用を行います。そのため、親の利益になる範囲なら不動産売却が可能な点が特徴です。

この制度を利用するには信託契約書を作成する必要があり、これは弁護士などの専門家に依頼するとよいでしょう。また、法的な効力を持たせるために、信託契約書は公証役場などで公証人による認定を受け、公正証書としておくことが大切です。

家族信託では親が生きているうちから不動産の管理が可能となり、認知症の進行などにより柔軟に対応しやすいです。ただし、相続の際には別途遺言が必要であり、信託を受けているからといって、必ずしもその人が信託を任された不動産の相続者になるとは限らないことは理解しておきましょう。

また、誰に信託するかを家族間でもめるケースもあるので、家族信託を利用する場合は家族でよく話し合ってから信託内容を決める必要があります。

任意後見制度

親自身が不動産の管理を委託する人を決める、任意後見制度についても知っておきましょう。任意後見制度では、親が元気なうちに不動産の管理や処分する人を決めることができ、認知症が進行した際などもスムーズに財産の管理を任せられます。

また、家族以外の第三者に財産の管理を任せることもでき、後見人の選択肢が広いことも特徴でしょう。この制度を利用するには、公証役場にて任意後見契約書を作成して、将来の後見人を定めます。

その後家庭裁判所に申し立てを行い、後見人の選定を行ってもらいます。申し立てをし、裁判所による審問や調査、聴取や審判などが完了して、後見人が専任されると考えましょう。

任意後見制度では認知症が進行した際に本人、または家族などが裁判所に申し立てて後見人となるだけではなく、認知症が進んでいないうちに後見人を選任することも可能です。

裁判所による申し立てで後見人を選任する場合は、家族などの本人以外の申し立てでは、必ず本人の同意が必要となる点に注意しなければなりません。認知症が進行すると誰を後見人にするかを定めることも難しくなり、場合によっては親が意図しない人が財産を管理することもあるでしょう。

任意後見制度を利用することで、親自身が後見人を定めることができ、財産の管理をスムーズに行いやすくなることがメリットです。

親の認知症が進行したときの不動産売却の流れ

親が認知症になった場合の不動産売却の流れは、次の通りです。

  1. 申し立てをする
  2. 法定後見人の選出
  3. 不動産会社と契約して買主を探す
  4. 裁判所から許可をもらう
  5. 後見人が売買契約を結ぶ

これらの流れを把握して、スムーズに成年後見人による不動産売却を行いましょう。

申し立てをする

まずは家庭裁判所に申し立てをします。これは子が行う手続きであり、家庭裁判所に申し出て法定後見人の選出をしてもらいましょう。申し立ての際には必要書類が多数あり、これらを事前に取得しておかなければなりません。申し立ての準備には時間がかかりやすいので、早めから書類を集めておくことがおすすめです。

法定後見人の選出

申し立てをした後は、家庭裁判所による事実調査が実施され、その後審判となります。審判の結果、法定後見人と認められた場合は裁判所から通知が届き、その後から後見開始となります。法定後見人の選出は裁判所が行うと考えましょう。

後見開始となるまでには数ヶ月程度の期間がかかり、審判までに2~5ヶ月程度、審判が確定するまでに2週間程度かかることが多いです。

不動産会社と契約して買主を探す

後見人に選出された後は、不動産の所有者に代わって後見人が不動産会社と仲介契約を結んで買主を探します。不動産会社を探す際には一括査定サイトを利用し、好条件を提示する不動産会社を探しましょう。

不動産会社に査定をしてもらい、仲介契約を結んだ後に売却活動が開始となります。売却活動の内容は契約によって異なりますが、広告を出してもらったり、購入希望者の内覧対応をしてもらったりなどがあげられるでしょう。

買主が見つかるまでの期間は不動産の価値や売却の条件によって異なりますが、数ヶ月程度かかることが多いです。

裁判所から許可をもらう

買主が見つかったなら、法定後見人による売却では裁判所から許可をもらう必要があります。裁判所には売却した資金の使い道などを明確に伝える必要があるため、許可が下りるように詳細な書類を用意しておきましょう。

許可をもらうには、後見人が裁判所に「居住用不動産処分許可申立書」を提出します。許可をもらう際には、次の書類も必要です。

  • 不動産の全部事項証明書
  • 不動産売買契約書の案
  • 処分する不動産の評価証明書
  • 不動産会社が作成した査定書

全部事項証明書は法務局にて取得できます。不動産売買契約書の案は、押印によって契約が成立する状態の売買契約書です。つまり、売買契約書にサインをする前に、一度裁判所に提出すると考えましょう。

不動産の評価証明書は、毎年送られてくる固定資産税の評価額が記載された納税通知書を使用します。査定書は査定時に作成してもらったものを提出しましょう。

後見人が売買契約を結ぶ

裁判所から売却の許可が下りたなら、後見人が売買契約を締結します。不動産売却では、基本的には所有者本人が行いますが、認知症などの場合は後見人が代理して行うと考えましょう。

契約を締結し、後見人が代理で決済の受け取りや物件の引き渡しを行い、不動産売却は完了です。認知症の親の代わりに売却する場合は、法定後見人の選出などもあわせると、1年以上かかる場合もあることは理解しておきましょう。

認知症の不動産売却で使う法定後見制度

認知症で意思能力がないと判断されたときに、不動産売却を行うには、法定後見制度を利用します。法定後見制度とは、認知症や知的障害などの判断能力が十分にないと医師が判断した人の代わりに裁判所が指定した法律行為を行う代理の人を立てることです。

もしもあなたの親が認知症の疑いがあると思ったときには、病院に行き医者に診せて認知症の程度を判断してもらうと同時に、制度を利用して成年後見人を選ぶ申立てを家庭裁判所に行いましょう。

また、売却する際には、一括査定サイトの利用がおすすめです。一括査定サイトなら複数の不動産会社が査定をしてくれ、どの程度のお金が入るのか見積もりをもらうことができます。

一括査定サイトは多数ありますが、中でもイエウールをおすすめします。イエウールはネット上で簡易査定ができ、全国優良な1,600社以上の不動産会社から物件におすすめの6社をピックアップし見積もりをもらえます。イエウールは1分で簡易査定が可能です。相場を知るためにもイエウールを利用してみましょう。

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法定後見制度とは

そもそも法定後見人とはなにかですが、これは認知症など判断力が欠如した人が法律行為をする際に、代理でその決定を行う人です。法定後見人には3つの種類があり、後見人と保佐人、補助人でどこまでの行為が行えるかが異なります。

詳細後見人保佐人補助人
対象となる人判断能力が欠けていることが通常の人判断能力が著しく不十分な人判断能力が不十分な人
申し立てができる人本人、配偶者、4親等内の親族、検察官、市町村長など本人、配偶者、4親等内の親族、検察官、市町村長など本人、配偶者、4親等内の親族、検察官、市町村長など
取消が可能な行為日常生活に関する行為以外の行為民法13条1項所定の行為申し立ての範囲内での家庭裁判所が審判で定める特定の法律行為
与えられる代理権の範囲財産に関するすべての法律行為申し立ての範囲内での家庭裁判所が審判で定める特定の法律行為申し立ての範囲内での家庭裁判所が審判で定める特定の法律行為
制度を利用した場合の資格などの制限医師、税理士などの資格や会社役員、公務員などの地位を失うなど医師、税理士などの資格や会社役員、公務員の地位を失うなどなし

対象となる人の状態によって、後見人の種類が決定し、それぞれで取消可能な行為や代理権などの範囲が変わります。

不動産売却が行えるのは、財産に関するすべての法律行為を代行できる後見人の場合です。ただし、保佐人や補助人の場合でも、申し立てによって裁判所が許可するなら、代理で売却できることもあります。

法定後見人になれる条件

法定後見人になれる人となれない人がいます。以下のリストを確認してください。

法定後見人になれる人法定後見人になれない人
  • 家庭裁判所から任命された人(複数の場合もある)
  • 法定後見人になれない人に該当しない親族
  • 弁護士など
  • 未成年者
  • 家庭裁判所で任ぜられた他人の後見人、補佐人、補助人
  • 破産者
  • 被後見人に対して訴訟を起こした人とその親族、血縁関係者
  • 行方の知れない者

法定後見人は親族や法人がなれます。なれない人の条件を満たしておらず、家庭裁判所が妥当だと判断したケースでは、親族がなることがあります。他の後見人や補佐人、補助人になっている人は選ぶことができません。つまり後見人の兼任はできないことは覚えておきましょう。

また、第三者が成年後見人に選任されたケースもあります。親族が法定後見人に選ばれないケースは以下のような状況が多いです。

  • 親族間に意見などの対立がある場合
  • 本人に賃料などの事業収入がある場合
  • 本人の資産や財産が大きい場合
  • 後見人候補者及びその親族と事件や本人との利害関係対立がある場合
  • 後見人など候補者が高齢の場合

ただ近年の判例では、親族が後見人になれるならばなった方が良いという意見もあります。親族間がトラブルがない場合では成年後見人は親族に決まるように変えていく社会の風潮があります。

法定後見人が持つ権利

法定後見人が持つ権利としては、基本的には契約行為が可能です。不動産売却は契約行為に該当するため、法定後見人は行えます。対して本人の利益になること以外はできないため、不動産所有者の不利益になる行為はできないと考えましょう。

本人の利益になる場合とは、売却によって資金が得られることで、介護などの資金が捻出できる、通常通りの相場価格で売却し、必要資金を得られるなどのケースがあげられます。つまり、親が認知症になったからといって、不要な不動産売却や相場以下で損失が出る売却はできないといえるでしょう。

ただし、不動産売却はすぐにできるわけではなく、家庭裁判所から許可を得なければなりません。所有者の利益になる場合でも、売却するには裁判所に申し立てをし、許可を得る必要があることは理解しておきましょう。

法定後見制度を利用するときの費用

利用する際の費用については以下の表をご覧ください。

項目費用額詳細
申し立て手数料800円収入印紙購入
登記手数料2,600円収入印紙購入、本人の審判結果の登記のため
切手代約5,000円家庭裁判所により異なる
鑑定代5~10万円鑑定を実施するための費用、医師の診断書で代用されることが多い

申し立て手数料と切手代、戸籍謄本の準備が必要です。家庭裁判所に申し立てたのち、鑑定料と登記手数料がかかります。

法定後見人制度利用後の親族が選ばれたケースは、報酬の請求をしない場合、費用は発生しません。法人が法定後見人になった場合には、2万円程度から管理する財産により一定額を支払うことが通常です。

法定後見制度を利用するときに必要な書類

法定後見人の申し立ての際には、次の書類が必要です。

項目書類詳細入手先
申し立てに必要な書類申立書1通家庭裁判所(ダウンロードの書式もあり)
申立人の戸籍謄本1通役所、役場
申立書付票1通家庭裁判所(ダウンロードの書式もあり)
本人の書類戸籍謄本本人のもの1通役所、役場
戸籍の附票本人のもの1通役所、役場
登記事項証明書本人のもの1通法務局
診断書1通家庭裁判所で入手、医師に提出記載してもらう
成年後見人に関する書類戸籍謄本成年後見人のもの1通役所、役場
住民票成年後見人のもの1通役所、役場
身分証明書運転免許証やパスポートなど1種類のコピー
登記事項証明書成年後見人のもの1通法務局
財産関係書類財産目録財産に応じて作成書式はダウンロードも可能
収支状況報告書作成書式はダウンロードも可能
申立事情説明書作成書式はダウンロードも可能
後見人候補者事情説明書作成書式はダウンロードも可能
親族関係図作成書式はダウンロードも可能

家庭裁判所から一括で書類をダウンロードできる地域もあります。本人の住所を管轄する家庭裁判所のホームページを見てみましょう。

また裁判所からダウンロードできるのでPDFやWordなどをコピーして必要事項に入力すると作成できます。かなりの数の書類になるので、申し立ての際には、一式を郵送で送ると切手代がかかります。

法定後見人による不動産売却の注意点

注意点を整理します。

  • 法定後見人の不服申し立てはできない
  • 成年被後見人の審判を受けると株式会社の役員にはなれない
  • 非居住用の不動産を売却する場合に注意
  • 相続時の利益相反に注意
  • 専門家が後見人になると費用がかかる

それぞれくわしく内容を見てみましょう。一部ではデメリットにもなり兼ねないので、申し立ての際には留意する必要があります。

法定後見人の不服申し立てはできない

通常家庭裁判所が決定した法定後見人に不服があったとしても、不服申し立てをすることはできません。簡単にいうと後見人に選ばれた制度そのものには不服を申し立てられますが、人選について裁判所の決定事項に不服申し立てをすることができないです。

具体的な例を挙げます。認知症の可能性がある親Aが居て、Aには長男Bと次男Cがいます。長男Bが成年後見制度を利用して財産を管理しようと申立て、結果として審判をしたのちにBが成年後見人に選ばれました。この件に対して、「Aは認知症ではないはずだ」とCが家庭裁判所に不服の申し立てをすることはできます。

しかし、例えば審査のときにBとCが争うことが家庭裁判所に分かったとして、別の司法書士Dを選任されたとします。この場合にBやCはDが選ばれたことについて、家庭裁判所に不服の申し立てをすることはできません。 つまり、家庭裁判所が決める成年後見人の人選に関しては口を出すことができないことが注意点です。

人選は事前の調査によって行われるので、自分が選ばれるには十分な経済能力や意思能力、普段の素行に問題がないかなどを証明する必要があるでしょう。

成年被後見人の審判を受けると株式会社役員にはなれない

成年被後見人と株式会社の役員を兼務することはできません。現在株式会社の役員になっている人が成年被後見人になった場合には、役員変更を行う必要があります。

つまり認知機能が劣っていると法的に認定されている人を役員として雇用することはマイナスになるという認定です。 現状で会社役員に就いている親などが認知症になった場合には、この点に注意をしておく必要があります。

非居住用の不動産を売却する場合に注意

居住用として使用されない非居住用の不動産の売却には、裁判所からの許可が不要です。そのため、許可を受けずに後見人の判断で売却ができますが、本人の利益にならないと判断されると、責任を問われることがあるので注意しなければなりません。

そもそも非居住用とは現在住んでいない不動産であるだけではなく、将来的にも住む可能性がないものを指します。そのため、現在は親が介護施設にいるものの、数年後にはその家に住むという場合は、居住用不動産に該当し、売却するには裁判所からの許可が必要です。

どこまでを非居住用とするかの判断は難しいので、売却を検討するなら弁護士などの専門家からアドバイスを受けたほうがよいでしょう。

相続時の利益相反に注意

法定後見人と被後見人、つまり認知症の親が不動産などを相続する場合は、お互いの利益を損なう利益相反に注意が必要です。例えば父が死亡し、認知症の母と子で相続をする場合は、遺産相続の協議を行います。

しかし、母に十分な意思能力がないなら、後見人である子が遺産の処分を決める必要があり、この際にどちら一方が利益を得て、他方が不利益を被ってしまうということもあるでしょう。

仮に不動産の管理が難しいからといって、母の相続分を放棄する場合は、子の財産管理は楽になるものの、本来得られるはずの母の利益がなくなってしまうので、利益相反と認められてしまいます。

利益相反が起きると後見人を解除されることもあるので、注意しなければなりません。このケースに対応するには、追加で後見人の申し立てをして複数人で不動産を管理したり、全員が相続を放棄したりするなどがあげられます。

全員が利益を手放す場合には利益相反には当たらないので、相続が難しい場合は放棄を検討してもよいでしょう。

専門家が後見人になると費用がかかる

後見人は家族のみが選出されるわけではなく、適任がいないと裁判所によって判断されると、弁護士や司法書士などの専門家が専任されることがあります。

これは家族間で後見人の選任や財産管理にトラブルがある場合で、誰が後見人になるのか、財産を管理、運用するのかでもめていると、専門家が選任されやすいので注意しましょう。

専門家が後見人になると、不動産の管理料などが発生します。金額はケースによってさまざまですが、月に2~6万円程度が相場となるので注意しましょう。発生した費用は本人の財産から差し引かれ、将来相続できる財産が少なくなる点も覚えておく必要があります。

専門家が後見人とならないためには、申し立て時点で財産管理の方法や権利などを家族でよく話し合っておき、トラブルが起きないようにしておくことが大切です。

認知症になる前にできる不動産売却

認知症になった親の所有する不動産売却には、売買取引そのものが無効になる可能性があります。したがって認知症になってからは家庭裁判所に申し立てて成年後見制度を利用する必要があります。認知症になる前に決めておく任意後見制度もあります。

不動産売却にはいくつかの制約があり、認知症だと分かってから対処しているとかなりの期間を要します。認知症の不動産売却については、利益にならない贈与なども出来ないので注意が必要です。成年後見制度を利用して財産を多く取ることなどは出来ないと思っておきましょう。

成年後見制度には正式な申し込みの書類をそろえたり、場合により家庭裁判所の判断で、後見人候補が変わることもあります。家庭裁判所の人選については口出しできない点は注意点です。

認知症の場合における不動産売却は手続きがいろいろとあり、時間がかかります。認知症になる前に家族間で話し合っておくことが解決の道です。

もっと詳しく知りたい方は、「不動産売却で支払う費用や還付金を徹底解説|出費を抑えるポイント」 の記事をご覧ください。

また、「不動産売却の際に使える特例とは?上手に活用して課税負担を軽減」 という記事や、「不動産売却にかかる期間や影響するポイントなど注意点を理解する」 という記事もご覧ください。 他にも以下の記事をご参考にしてみてください。

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