戸建て売却をしようと思っているけれど、何をすればよいか分からない・何が大切なのかも分からない。
このような不安を抱えてなかなか戸建て売却を進めることが出来ない方は、まずは「コツ」を掴みましょう。この記事では、戸建て売却の流れを説明した後に「コツ」を9つ紹介していきます。
戸建て売却について知りたい方は、「【戸建て売却】戸建てを高く売却するための流れや準備を解説」という記事をご覧ください。
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まずは戸建て売却の流れを確認しよう
まずは、戸建て売却の流れを把握して、売却で何をしていけばよいか全体像を把握していきましょう。戸建て売却の流れは以下の7STEPに分かれています。また、目安として戸建て売却では6ヶ月の期間がかかります。
STEP | やること | 所要期間の目安 |
---|---|---|
1 | 事前準備 | 約1~2ヶ月 |
2 | 査定依頼 | |
3 | 媒介契約 | |
4 | 売却活動 | 約1~3ヶ月 |
5 | 売買契約 | |
6 | 決済・引き渡し | 約1ヶ月 |
7 | 確定申告 |
それぞれのステップで何をやるのか簡単に確認していきましょう。
「事前準備」では、売却に必要な書類の準備をしたり、戸建て売却相場を調べたり、売主自身が主導で売却の準備を行います。
「査定依頼」では、複数の不動産会社に専門家の立場から、「戸建てがいくらで売れそうか」を査定してもらいます。複数社に査定依頼を行うときは、「不動産一括査定サイト」を使うのが一般的です。
「媒介契約」では、査定を通じて選んだ不動産会社と売却活動の方針や成約した時の報酬などに関して契約を結び、正式に売却を依頼します。
「売却活動」では、売り出し価格を決めて戸建てを売り出し、不動産会社主導で売却活動を行います。売主は、物件の内覧対応や購入希望者との条件交渉を行います。
「売買契約」では、買主が決まったら不動産会社からの重要事項説明を受けて、売買契約を結びます。
「決済・引き渡し」では、売買契約で決めた時期に、不動産会社や金融機関などの関係者立ち合いのもと、売却代金の決済と買主への戸建ての引渡しを行います。
「確定申告」では、戸建てを売却して出た利益にかかる税金を納税します。手続きは、戸建てを売却した翌年の2月16日~3月15日の間に行います。
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戸建て売却の流れが分かったら、続いて売却の9つのコツをひとつずつ紹介していきます。
コツ1:ホームインスペクションを実施する
戸建てを売却するのであれば、必ずホームインスペクションを実施しておきましょう。ホームインスペクションとは、住宅診断士(ホームインスペクター)によって、中古住宅の状況を正確に診断してもらうことです。
建物の劣化状態や耐震性、欠陥の有無などを診断してもらいます。2018年4月の宅地建物取引業法の改正により、住宅の売買を仲介する不動産会社は、売主に対してホームインスペクションを実施するかどうか確認して、ホームインスペクションを実施した物件に関しては、買主に正確な診断結果を伝えることが義務化されています。
売主として義務化されていることではありませんが、買主側としてはホームインスペクションが実施されている戸建ての方が安心して購入しやすいのは言うまでもありません。ぜひホームインスペクションの実施はしておきましょう。
ホームインスペクションには目視だけで行う一次診断と、一次診断で疑わしい部分があった場合の詳細を調べる二次診断があります。一次診断だけであれば費用は5万円から6万円程度、二次診断は10万円以上かかることもあります。
費用は掛かりますが、万が一売却後に戸建てに不具合が見つかった場合には、契約不適合責任を問われます。お金がかかってもホームインスペクションを行い、必要があれば補修を行っておくことで、買い手側に安心して購入してもらえるようになります。
ホームインスペクションの依頼は、不動産会社に依頼することもできますが、自分で住宅診断士を探して直接依頼した方がいいでしょう。NPO法人の日本ホームインスペクターズ協会のホームページから、協会に登録されている住宅診断士を探せます。ぜひお近くで依頼できる住宅診断士を見つけて、依頼してみましょう。
コツ2:測量で境界を明確にする
戸建てを売却する場合には、建物と一緒に土地を売却することになります。土地を売却する場合には、正確な面積を把握する必要があります。また、隣の土地の持ち主との境界線が不明瞭な場合には、購入後に境界線トラブルも起きかねないので、買手がなかなか付きません。売却前に確定させておく必要があります。
正確な測量によって境界線が確定していない場合には、売却活動を始める前に必ず測量を行って境界線を確定させておきましょう。
現在、役所や法務局に保存されている図面の中には、明治時代に行われた古い測量で作成された図面をそのまま現在まで使っている場合もあります。現在の地図と重ね合わせた時に、面積や境界線に誤差が生まれてしまい、隣人とのトラブルになることもあります。
土地を込みで戸建てを売却する場合には、隣人との境界線の合意の下で作成された確定測量図が必要です。確定測量図がない場合には、測量士に依頼して、隣人の立ち会いのものと測量を行いましょう。
確定測量図の作成のための測量には10万円から20万円程度の費用が掛かります。
コツ3:設計図面などの資料を用意する
戸建てを売却する場合には、建築した時の設計図面が必要です。また、建売住宅であった場合には、購入時のチラシやパンフレットもあると、その家の売り出しポイントが伝わりやすくなります。
設計図面は家の耐久性や耐震性を診断するのに重要な資料となるので、買主側から必ず要求されます。親から相続した古い住宅で、すでにそのような資料はないという場合には、建築士に依頼して図面を作成してもらいます。図面の作成には最低でも10万円から、RC構造で大きな住宅の場合には50万円以上掛かることもあります。
この他に、建築確認通知書もしくは検査済証、建築計画概要書も必要です。建築確認通知書もしくは検査済証は、建築した時に、市町村役所が建築物の確認をして発行する証明書です。建築計画概要書は建築確認申請の時に提出する書類で、建築計画の概要が記されています。
建築確認通知書もしくは検査済証が手元にない場合には、役所で建築確認交付済証明もしくは検査済証交付済証明を発行してもらいましょう。建築計画概要書も再発行してもらえます。
コツ4:売れやすいタイミングで売り出す
戸建てを売却する場合には、売り出すタイミングに注意しましょう。魚や野菜などの生鮮食品に旬の時期があるように、不動産の売買にも一年を通すと売れやすい旬の時期と売れにくい時期があります。売れやすい時期に合わせて売り出すことで、より売れる可能性が高まります。
戸建てやマンションなどの不動産が最も売れやすい時期は、4月の就職や新入学、異動に合わせて新しい物件を探す人が増える1月から3月です。次の売れやすいのは9月の異動に合わせて、新居を探す人が増える7月から8月です。
売却の目標期間は通常は3カ月から6カ月程度に設定します。できれば年度末の時期がその間に入るように、売り出し時期を設定するといいでしょう。ただし、大型のマンションの引き渡し時期と重なると、マンションへ住み替える人が一斉に戸建てを手放します。
周辺地域に同じような戸建てが一斉に売りに出されるので、なかなか希望通りの売却ができないこともあります。周辺地域にマンションの売り出しの情報などがある場合には、売却時期をずらすなどの工夫も必要です。不動産会社とよく相談して綿密に戦略を練りましょう。
コツ5:築古の場合取り壊しも視野にいれる
築古とは築年数が古いことです。建ててから相当な年数が経っている戸建ての場合には、建物が古すぎることが原因でなかなか売れない場合もあります。その場合には、取り壊して更地にして、土地だけを売却するという選択肢もあります。
戸建ての寿命は、木造建築で30年から80年、鉄骨で30年から60年、RC造で40年から90年と言われています。建物の修繕状況によって大きな幅がありますが、どれほど丁寧に使っていた住宅であっても、いずれは寿命がきて取り壊さなければならなくなります。
補修やリノベーションをすることで建物として売却できる可能性もありますが、その費用や手間を考えたら、建物を解体してしまうという判断が妥当な場合もあります。
補修やリノベーションにかかる費用と売却できる可能性と、解体にかかる費用と土地として売却できる可能性のどちらが費用対効果が高いか、不動産会社とよく相談をして決めましょう。
土地として売却する場合には、そのままの土地として売却する場合と、広い場合には分筆して売る場合があります。
コツ6:売り出し価格を慎重に設定する
戸建てを希望に近い価格で売却するためには、売出価格の設定も重要です。売出価格の設定を間違えると、なかなか売れなかったり、希望よりもはるかに安い価格になってしまったりします。
周辺相場を無視して高すぎる設定にした場合には、よほど人気の物件でない限りなかなか買手が付きません。値下げを繰り返していくことになります。しかし、値下げを繰り返しても売れないと、今度は何か問題がある物件なのではないかと思われてしまい、かえって買手が付かなくなります。
希望金額で売り出した場合には、値引き交渉によって値下げせざるを得なくなり、希望金額よりも安い価格になってしまうことがあります。
売出価格を設定するときには、周辺の似たような物件の売買の相場を調べて、あなたの希望売却金額とすり合わせます。このくらいで売却できればいいという価格を設定したら、値引き交渉でその価格になるように、売出価格を設定します。そうすれば、値引き交渉が行われたとしても、納得できる価格で売却できます。
コツ7:リフォーム履歴を明らかにしておく
「築古の場合取り壊しも視野にいれる」でお伝えした通り、同じ工法で建築した建物であっても、30年から50年も寿命に差があります。寿命に差が出る要因の一つに、修繕やリフォームを適切に行っていたかがあります。
マンションの場合には、外壁や屋根の塗装や水回りの修繕は、マンションの管理組合が行ってくれます。しかし、戸建ての場合にはすべて自分で行わなくてはいけません。購入者にとっては購入後の建物の寿命に、購入前のリフォーム履歴も関連してくるので、リフォームや修繕の履歴を教えて欲しいという希望は少なくありません。
外壁塗装や、特に定期的な修繕が必要になる水回りの風呂場やキッチン、トイレのリフォームをどのように行ってきたのか、その履歴を説明できるように、書き出しておきましょう。
コツ8:最適な室温と明るさで内覧対応をする
内覧に来た人が、その家が住みたい家かどうかを感じるのには、その家の空気感がポイントになります。空気感とは、その家の空気を心地よく感じられるかどうかです。
戸建ての購入を検討している方の多くが、自宅として利用するための家を探しています。生活する中で、最も過ごす時間が長い自宅であれば、自分が心地よく感じられる空気かどうかが一番重要です。
心地よい空気感は、室温と明るさで演出できます。リビングや寝室などは、部屋のエアコンを設定して、季節に合わせて心地よく感じられる室温に設定しておきましょう。乾燥が気になる季節は加湿器を使うこともポイントです。においが気になる場合や、たばこを吸う人がいる場合には空気清浄機も利用しましょう。
明るさは自然光が入りにくい部屋は照明で工夫します。蛍光灯が切れそうな場合や、黒くなりかけている場合には内覧の前に取り換えておきましょう。部屋の外の庭木や雑草が、自然光が入るのを邪魔している場合には、草刈りや剪定して光が部屋の中に入りやすいようにしておきます。
コツ9:内覧では全ての部屋を見せられる状態にする
住みながら売却活動をする場合には、自分が生活している場をそのまま見せることになります。寝室や書斎など、他の人に見られては困る、プライバシーが気になるという場合もあるでしょう。
しかし、内覧に来る人にとっては、これから自分が生活する場を探しているのです。隅々までチェックしたいという気持ちは当然のことです。
内覧に来た人や不動産会社の人に見られて困るようなものは、引き出しや金庫にしまって隠したうえで、部屋やクローゼットの中は全て見せられるようにしておきましょう。
整理整頓をして部屋をできる限り広く見せる様にします。良い印象を持ってもらうために、掃除をして部屋の隅々まできれいにしておくことも大切です。特に不潔になりがちな、トイレや風呂、キッチンはしっかりと磨いてきれいにしておきましょう。
戸建て売却のコツを抑えて高く・早く売却しよう
戸建ての売却を行うには、いくつかのコツがあります。できるだけ条件どおりに売却したいのであれば、事前の準備とコツの理解がキーポイントとなるでしょう。
もっとも重視するべきは、信頼できる不動産会社を見つけることです。複数の不動産会社を比較して自分が納得できる提案をしてくれる会社と契約を交わしましょう。その上で、自分でできる対策をしっかりと行うことも大切です。
もっと詳しく知りたい方は、「戸建て売却の税金とは?所得税や住民税などの目安を知ろう」の記事をご覧ください。 また、「戸建て売却で築年数は価格に影響する!資産価値との関係を解説」という記事や、「築浅の戸建てを売却するコツは6つ!損をしないためのポイントを解説」という記事もご覧ください。