住宅ローンを組んでから完済を目指すまでの期間が長く、途中でいくら支払ったのかがわからなくなってしまうこともあります。返済計画を明確に立てるには、ローン残高を確認することが大切です。
住宅ローンの残高はどのように確認するのかはもちろん、確認後にすべきことはあるのかなどを知り、スムーズな完済を目指しましょう。
住宅ローンの残高を確認する方法
住宅ローンは毎月決まった金額を返済しますが、途中で残高がどれくらいあるのかがわからなくなってしまうことがあります。残高を調べる方法は、次の4つがあげられます。
- シミュレーターを使う
- 金融機関のサイトで確認する
- 金融機関の残高証明書で確認する
- 金融機関の返済予定表で確認する
これらの方法を駆使して、現在の住宅ローンの残高を把握しておきましょう。
方法1:シミュレーターを使う
金融機関のサイトでは、住宅ローンのシミュレーターが使える場合があります。これを使うことで、ある程度の残高は確認できるでしょう。シミュレーターに借り入れ金額や頭金などの情報を入力することで、返済プランが表示されます。
返済プランをみながら、今が支払い始めてからどれくらい期間が経過しているのかを計算することで、残高は把握できるでしょう。
方法2:金融機関のサイトで確認する
金融機関のサイトにアクセスすることでも、ローンの残高は確認できます。借り入れをしている金融機関のサイトにアクセスし、マイページにログインして残高をチェックしましょう。
サイトでなら24時間いつでも確認できるので、時間帯に関係なく使えて便利です。また、パソコンだけではなく、スマホからもアクセスできます。
ただし、すべての金融機関がネットから残高を確認できるとは限りません。マイページでの残高確認のサービスを提供していないこともあるので、一度金融機関に問い合わせてみるとよいでしょう。
方法3:金融機関の残高証明書で確認する
金融機関からもらえる、残高証明書でも残高は確認できます。残高証明書は、毎年10~11月に送付されるので、これをなくさないように保管しておきましょう。
ただし、残高証明書は利用している金融機関によって送付のタイミングが異なるので、これにも注意が必要です。場合によっては翌年の1月に送られてくることもあるので、毎年いつ送付されているかを確認しておきましょう。
方法4:金融機関の返済予定表で確認する
住宅ローンを組んだ際には、金融機関から返済予定表がもらえます。返済予定表には、毎月いくら支払い、いつのタイミングで完済するのかなどが記載されています。そのため、予定表でスケジュールをチェックすることで、現時点での詳細な残高がわかるでしょう。
ただし、返済予定表はあくまで住宅ローン契約時でのスケジュールであり、返済状況が変動すると、その通りの残高とならないことがあります。
一部滞納していたり、途中で繰り上げ返済していたりする場合は、返済予定表の限りではないことは理解しておきましょう。また、返済予定表は契約時に金融機関からもらってから、ほとんど使うことがありません。そのため、もらった書類をなくさないように保管しておくことが大切です。
住宅ローン残高の確認方法による違い
住宅ローンの残高を確認する方法はさまざまありますが、やり方によって確認できる内容は異なります。また、方法次第で便利な部分や不便なところもあるので、これも理解しておきましょう。確認方法ごとの違いを知っておくことで、どのやり方が自分に合っているのかが把握できます。
シミュレーターでは正確な残高はわからない
金融機関のサイトのシミュレーターを使うことで、残高は確認できますが、正確な金額を把握することは難しいです。シミュレーターでわかるのはあくまで概算であり、実際の返済状況は、シミュレーション通りにならないことも少なくありません。
例えば途中で繰り上げ返済をしている場合は、シミュレーター通りの残高にはなりません。シミュレーターで表示されるのは、毎月同じ金額を支払った場合の残高です。途中で返済スケジュールが変わる人は、シミュレーターで調べるのはおすすめできません。
繰り上げ返済や一括返済を検討している人は、金融機関から送られてくる残高証明書を参考にするとよいでしょう。
サイトで確認するにはオンラインバンキングに登録する手間がかかる
金融機関のサイトからでも、住宅ローンの残高は確認できます。しかし、確認するにはオンラインバンキングに登録する必要があり、この手間を面倒に感じる人はいるでしょう。
登録の手順は金融機関によって違いますが、基本的にはオンラインバンキングに登録し、金融機関で定めるステップ通りに進めていきます。また、金融機関によっては、そもそもサイトから確認できない場合もあるので、この場合は利用自体ができません。
オンラインバンキングへの登録が面倒だったり、サイトから確認できるシステム自体がなかったりするなら、手軽にチェックできるシミュレーターや残高証明書、返済予定表などで見るとよいでしょう。
住宅ローンの残高を知るべきタイミング
住宅ローンの残高を知るべきタイミングとしては、次の5つがあげられます。
- 返済が苦しくなったとき
- 繰り上げ返済をしたとき
- 住宅ローンの控除をするとき
- 不動産を相続するとき
- 不動産を売却するとき
これら5つのタイミングでは、残高をチェックしておくとよいでしょう。
タイミング1:返済が苦しくなったとき
住宅ローンの返済が苦しくなったときには、一度残高をチェックしておくことがおすすめです。残高を知っておくことで、返済スケジュールを組み直すことができ、金融機関に相談することで返済額を下げてもらえる場合もあるでしょう。
返済が苦しくなったときに残高を確認しておくことで、後どれくらい返済すればよいのかがわかります。もし残高がそれほどないなら、家計をやりくりして完済を目指してもよいでしょう。残高がまだまだ残っているなら、返済スケジュールの見直しをすることがおすすめです。
もし返済スケジュールを見直さずに滞納してしまうと、金融機関のブラックリストに載ってしまったり、任意売却や競売などで家を手放さなければならなかったりする可能性があります。
売却を視野に入れないなら、まずは返済スケジュールを見直すためにも、現状での残高をチェックしておき、その後の対応を考えることが大切です。
タイミング2:繰り上げ返済をしたとき
住宅ローンは毎月同じ金額を売却するだけではなく、資金に余裕ができたときに一部繰り上げて返済することも可能です。繰り上げ返済をしたときには、契約時に決めた返済スケジュールが変更になるので、この段階で一度残高を確認しておくとよいでしょう。
残高を確認することで、繰り上げ返済をしてから完済するまでのスケジュールが明確になり、いつ返済できるのかがわかります。繰り上げ返済の金額にもよりますが、多額を一括で繰り上げた場合や、複数回繰り上げた場合は、一度残高を確認しておきましょう。
タイミング3:住宅ローンの控除をするとき
住宅ローン控除を受ける際にも、残高を確認することが大切です。住宅ローンを組んでから最大13年間受けられるので、この期間内なら毎年残高をチェックしておきましょう。残高を確認する必要があるのは、毎年末の残高によって、控除される金額が異なるからです。
住宅ローン控除を受けるには、確定申告が必要であり、この際に残高証明書を提出しなければなりません。そのため、毎年末か翌年の1月に送られてくる残高証明書を確認して、確定申告の準備を進めておきましょう。
タイミング4:不動産を相続するとき
相続によって不動産を取得する場合も、残高を確認しておくことが大切です。相続によって資産を受け取ることができますが、同時に債務、つまりローンまで相続することになります。
そのため、相続する不動産に住宅ローンが残っている場合は、残高を確認してから相続するかどうかを決めたほうがよいでしょう。仮に住宅ローンが残っていても、残高がそれほど多くない、あるいは自己資金で返済できてメリットになるなら、そのまま相続しても構いません。
もし住宅ローンの残高が多かったり、返済が難しかったりするなら、相続自体を放棄することも1つの方法です。相続を放棄する場合は、不動産は取得できませんが、同時にローン返済の義務も負わずに済みます。
不動産を取得することで資産は手に入るものの、残高次第では大きな負債となってしまうこともあるので、相続前に残高は確認しておきましょう。
タイミング5:不動産を売却するとき
所有している不動産を売却するタイミングでも、住宅ローンの残高は確認しておきましょう。ローン残債がある不動産は、基本的にはローンを完済しないと売却することはできません。
しかし、ローン先の金融機関に許可を取り、売却によってローンを完済できる場合は、不動産を売ることができます。残高を知り、どれくらいの価格で売却できるかを把握しておくことで、不動産の売却はスムーズに行えます。
もし売却価格によってローンを完済できない場合は、残債分を自己資金で補填するか、売却によって完済できるまで返済を続けてもよいでしょう。
売却によってローンの完済を目指す場合は、少しでも高値で不動産を売ることが大切です。同じ不動産でも、依頼する不動産会社によって売却の条件が違ってくることも少なくありません。
より好条件で売却するには、一括査定サイトで信頼できる不動産会社を探すことが大切です。複数社から査定を受けておくことで、好条件で売りやすい不動産会社がわかり、売却も成功させやすいでしょう。
住宅ローンの残高を知って何に活かすのか
住宅ローンの残高を確認した後は、次のことをするとよいでしょう。
- 借り換えを検討する
- 住宅ローンの返済スケジュールを見直す
- 住み替えを考える
これらを行うことで、確認した残高を活かすことができます。
借り換えを検討する
残高を確認して返済が難しいと感じた場合は、別の金融機関への借り換えを検討するとよいでしょう。借り換えをすることで金利を下げられる場合があり、これによって最終的な支払い額は減らせます。
住宅ローンは必ずしも同じ金融機関から借り続ける必要はないので、必要に応じて変更することが大切です。借り換えをすることで金利を下げられるだけではなく、返済スケジュール自体を変更できる場合もあるでしょう。
ただし、借り換えをする際には、金融機関ごとの条件を比較しておくことが大切であり、最初の1社だけで決めないようにしましょう。最初の1社でよいと思っても、別の金融機関をチェックすると、さらに好条件で借り換えられる場合があります。
借り換えをする際には、最低3社を目安にして条件を比較し、より支払いが楽になる金融機関を利用するとよいでしょう。
住宅ローンの返済スケジュールを見直す
残高を確認した後は、返済スケジュールを一度見直してみましょう。もし現在ローンの支払いが厳しい場合は、金融機関に相談して返済スケジュールを変更してもらうことがおすすめです。
返済スケジュールの見直しの場合は、毎月の返済額を減らしてもらうのか、あるいは資金があるなら繰り上げ返済を考えてもよいでしょう。
スケジュールを見直す際に金融機関と相談して変更ができない場合は、借り換えを検討することもおすすめです。返済スケジュールの見直しは、円滑にローンを完済するための重要なポイントです。
無理なく返済し、ローンを滞納しないためには、定期的に残高を確認し、そのたびにスケジュールの見直しを図ることがおすすめです。
住み替えを考える
残高を確認してもうすぐ完済できそう、あるいは売却価格によって完済できそうな場合は、住み替えを検討することも1つの方法です。ローンの完済ができて、売却が可能な場合は、ライフプランに合わせて住み替えをすることで、より暮らしやすくなります。
例えば子供ができて家が狭くなる場合は、より広い家に引越すことがおすすめです。反対に子供が独立して部屋が余る場合は、より小さな家に住み替えるとよいでしょう。
残高次第では住み替えが可能であるため、この時にローンの借り換えも検討すると、より返済しやすくなります。住み替えをすることで住環境が変化するだけではなく、ローンの返済プランを組み替えることもできるので、ローン残高が少なくなってきたなら、住み替えも視野に入れてみるとよいでしょう。
まとめ
住宅ローンの残高を確認した後は、返済のスケジュールの見直しを行ったり、借り換えや住み替えなどを検討することがおすすめです。残高を確認する方法はさまざまあるため、自分に合ったやり方を見つけましょう。
残高が少ないなら、自宅を売却してみることもおすすめです。売却によってローンの完済を目指すなら、いかに高値で売るかが重要です。高額売却を成功させるには、不動産会社複数社から査定を受けるとよいでしょう。
査定を受けて不動産会社ごとの条件を比較することで、より好条件で売却できる業者を探せます。効率的に査定を受けるには、一括査定サイトを利用するとよいでしょう。すまいステップなら物件情報を一度登録することで、最大4社から査定を受けられます。
また、全国1,600社以上の不動産会社が登録しているので、幅広いエリアで利用できる点も魅力です。登録しているのは優良業者のみなので、好条件で売却して住宅ローンの完済を目指したい人におすすめでしょう。