会社からの命令で転勤することになってしまった時に問題となるのが今住んでいる自宅です。ローンを組んで購入したのにこれからどうすれば良いんだ、と思っているならリロケーションをするのはどうでしょうか。
こちらなら空き家となる自宅を賃貸することで収入を得られ、これでローンなどを支払うことが出来ます。また、メンテナンスも会社で行ってくれるので、空き家を自分で管理するよりは手間が省けます。
今回はこのリロケーションに関して解説していきます。最後まで読んで頂ければ、空き家を有効活用しながら安心して転勤が行えます。
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リロケーションとは何なのか
それでは、まずはリロケーションを良くわからない人に、こちらが一体何なのかを解説していきます。なお、リロケーションに関して良く知っている人でも、しっかりとその知識が合っているのかを確認するために今1度目を通してください。
ここでは、リロケーションの意味やリロケーションが生まれた背景がどんなものであったのか。また、リロケーションが一般化した理由に関してや入居希望者は個人だけでなく企業の社員であることを解説していきます。ぜひ、これらを正しく認識してください。
リロケーションの意味
このリロケーションとは、転勤などの事情で空き家となった部屋を期間限定の賃貸にすることを意味しています。例えば、会社からの命令で3年間の転勤が決まった時に、その場所がとても通える様な距離で無かった時には、自宅を留守宅とするしかありません。
しかし、この際にリロケーションを利用すれば、留守宅が賃貸として貸し出されるので、空き家となった持ち家を有効活用することが出来ます。さらに、リロケーションは期間限定の賃貸であるために、転勤が終わった時にはまた自宅として戻ってくる様にすることが出来ます。
したがって、転勤などで家を空ける人にうれしいサービスであるのがリロケーションであると言えます。
リロケーションが生まれた背景
上記で解説した様な転勤で自宅を留守宅にすると言うことは、近年の話ではなく20年や30年前にもあったことです。では、その時にはどの様にしていたのかと言えば、借上社宅制度を利用してこれに対応していました。
この借上社宅制度とは、転勤などで使っていない部屋を社員へ賃貸として貸し出すものです。こう見るとリロケーションと同様ではないかと考えるかもしれません。しかし、貸した部屋が確実に明け渡しされる保証が整っていなかったので、転勤から戻った時に自宅に戻れないことがありました。
そのため、借上社宅制度ではこの明け渡し保証が問題になり、結果的にリロケーションが生まれることになりました。
リロケーションが一般化した理由
上記でなぜ明け渡しが確実に行われなかったのかと言えば、借地借家法に問題があったからです。こちらは現在は改正されておりますが、昔の借地借家法では1度貸してしまうと明け渡しの期限を過ぎていても、立ち退かせることが出来ない法律になっていました。
つまり、借りた方が立場として強かったと言うことです。そのため、明け渡しの問題が発生しました。この問題は住宅だけでなく、土地などにも関係していたために改正されることになり、最終的に2000年の定期借家権の導入により、この歪な状態が無くなることになりました。
そして、これによって期限までで契約が終了するために、明け渡しをしなくてはならない様になったので、リロケーションがしっかりと出来る土壌がようやく整いました。これによって、リロケーションを会社として行う所も出てきたために、広く一般化することになったのです。
入居希望者は個人だけでなく企業の社員
現在リロケーションを会社としてやっている所は、希望者が個人でも募集している所もあるかもしれませんが、1番の利用者は企業の社員が多いです。これは、リロケーションを行うことによって転勤した方は留守宅を賃貸に出来るので家賃を得られ、また会社側はその留守宅を社宅代わりに使えるために、双方にメリットがあるので行われています。
これらによって、リロケーションの希望者は企業の社員が多いです。
リロケーションすればこんなにお得
リロケーションが一体どんなものなのかは良く分かったと思います。それでは、次にこのリロケーションを行うとどんなお得なことがあるのかも知っていきましょう。リロケーションは以下の様なお得なポイントがあります。
- 家賃収入で固定資産税やローンをカバー
- 賃貸をやめて家に戻りやすい
- トラブルの対応は業者に任せられるので安心
- 空き家による自宅の管理から解放される
以上の4点がお得なポイントです。これらの内容関しては下で解説していくので、しっかりと認識してください。
家賃収入で固定資産税やローンをカバー
社員の人の中には、マンションなどの部屋を現金で購入している人もいるかもしれませんが、実際にはローンを組んで購入している人も多いでしょう。この様な人がもしも転勤を命じられたら使わない部屋のローンを支払わなくてはならず、金銭的に重くのし掛かります。
また、税の面で見ると自宅に関しては固定資産税なども掛かります。そのため、ローンや固定資産税などを留守宅にも関わらず支払わなくてはなりません。
しかし、これがリロケーションを利用していると賃貸収入が得られるので、自宅に掛かるローンや固定資産税などを支払うことが出来ます。つまり、リロケーションを利用していると金銭的に助かります。
賃貸をやめて家に戻りやすい
リロケーションでは、定期借家契約と言うものを結んで部屋を一定期間貸すことになりますが、こちらは契約終了時に貸主と借主の双方が更新を望まなければ再び契約を結べません。また、契約の期限には必ず部屋を明け渡さなければなりません。
つまり、貸主である会社員などが転勤が終わった際に契約期間が終わる様にしておき、更新の意志が無いことを示せば貸した部屋が戻ってくるので、賃貸の部屋から自宅に簡単に戻ると言うことです。なお、賃貸で使っている時には、借主の使い方によって部屋が損傷することが考えられます。
しかし、こちらもリロケーションを行っている業者が修繕を行ってくれるのがほとんどであるので、貸した時の綺麗な自宅で戻ってきます。
トラブルの対応は業者に任せられるので安心
上記では部屋が損傷しても業者が修繕してくれると解説しましたが、基本的にこれらのトラブルは業者が対応してくれます。例えば、定期借家契約を結んでいるのにも関わらず、部屋を明け渡さなくても業者に連絡すれば対応してくれます。
また、賃料の支払いで問題が起こった時にも相談すれば対応してくれます。したがって、仮に部屋の借主とトラブルが発生しても業者が対応してくれるので、安心して家を貸せます。
空き家による自宅の管理から解放される
仮にリロケーションを利用せずに、自宅を空き家として管理することを考えてみましょう。この時には、定期的に家を訪れて掃除やケアをする必要があります。
これは人が暮らさない家はどんどん痛んでいくので、しっかりと維持管理する必要があるからです。そのため、家を綺麗に保つためにも定期的に家を訪れる必要が出てきます。
また、他の観点では防犯の問題があります。当然ながら長期間空き家となっている物件は、空き巣をする人達のターゲットになってもおかしくありません。そのため、防犯対策をしっかりと行う必要などが出てきます。
これらがリロケーションをせずに自宅を管理した際の話になります。これがリロケーションを利用すると人が住むために家が傷まず、人が住んでいるためにそれ自体が防犯対策に繋がります。
したがって、管理の手間から解放されながら、空き家のデメリットをなくすためにはリロケーションは有効です。
リロケーションには手間やリスクもある
リロケーションを行うことで、どんなお得なことがあるのかに関しては良く認識出来たと思います。しかし、このリロケーションを利用することには手間やリスクも残念ながらあります。リロケーションに関して良く理解したいのであれば、こちらも正しく認識してください。
リロケーションの手間やリスクは次の通りです。
- 家賃収入が通常の賃貸住宅より安くなる
- 借り手によって家にダメージがある可能性
- 売却と違い固定資産税の支払いは残る
- 家賃収入があるため確定申告が必要
以上の内容に関してしっかりと認識して頂ければ、リロケーションに対する不安は無くなるでしょう。そのため、これらの解説を正しく把握してください。
家賃収入が通常の賃貸住宅より安くなる
リロケーションでは、長期に渡って部屋を借りるのでは無く、期間限定で家を借りることになります。そのため、家賃に関しては通常の相場に対して、2~3割程安くなっていることが多いです。
また、業者が間に入って対応しているために、そちらに対する管理料や手数料などを支払う必要があり、こちらも期間限定と言う性質によって割高になってしまいます。したがって、トータルの家賃収入としては、通常の賃貸の時と比較すれば安いと言わざるを得ません。
借り手によって家にダメージがある可能性
基本的には、貸した家を修繕をしてくれるサービスが業者によって付帯されてはいますが、家が帰って来た時に経年劣化や多少のダメージがあることは否定出来ません。これは、自分以外の第3者に貸すと言うため、ある意味やむを得ないことであるとしか言えません。
したがって、もしかすると借り手によって家にダメージがあるかもしれません。
売却と違い固定資産税の支払いは残る
固定資産税は不動産の所有者に対して課せられる税金です。これをリロケーションで考えると、こちらは確かに家を他人に貸してはいますが、例えば家を売却した際の様に実際の家の所有者が変わっている訳ではありません。
そのため、売却した時には掛からない固定資産税が掛り、こちらは本来の家の所有者である貸主が支払うことになります。
家賃収入があるため確定申告が必要
リロケーションを行う人は転勤などで自宅を空ける会社員であることが多いです。そして、このリロケーションで得られる家賃収入と言うのは、会社員としての収入以外の副収入となるので必ず確定申告が必要になります。
また、仮に会社員でなくても一定の所得があればこの確定申告をしなければなりません。したがって、リロケーションで家賃収入があれば、確定申告をする必要があります。
リロケーションの手順に関して
リロケーションがどんなものであるのかは良く認識出来たでしょう。それでは、最後にリロケーションが始まって、終わるまでの一連の手順について見ていきましょう。
まず、リロケーションが始まって、終わるまでは5つの手順があります。また、それぞれに関して解説していきます。
こちらをしっかりと認識すれば、リロケーションに関しては全て把握したことになります。
リロケーションが始まって、終わるまでは5つの手順がある
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1.リロケーションサービスをしている会社探し
2.入居者の募集と審査
3.設備の不具合をチェックして入居者に引き渡し
4.管理会社からの報告や家賃の入金
5.期限が来たら家を受け取り管理会社と契約終了
—
こちらに関しては、上のフロー図の通り5つ手順があります。さらに、この5つの手順に関しては1と2が入居前に行われることであり、3と4と5に関しては入居後に行われるものです。
なお、それぞれに関しては下で詳しく解説します。
リロケーションのそれぞれの手順を解説
ここでは、リロケーションのそれぞれの手順に関して解説していきます。具体的にどの様なことが行われていくのかを理解してください。
リロケーションサービスをしている会社探し
まずは、リロケーションを行っている会社を探していきます。現在はネットからでも調べられるので、検索してそれぞれがどの様なサービスを行っているのかを見てください。
そして、資料請求や無料の賃料査定、無料相談を行って利用する会社を決めましょう。
入居者の募集と審査
利用する会社が決まったら、次は会社と契約を結んで具体的な募集条件を決めて、募集を始めます。そして、募集を行っているのと平行して、万が一住宅に問題があればリフォームなども行います。
その後、審査を行って入居者を決めます。
設備の不具合をチェックして入居者に引き渡し
リフォームが終わって設備に不具合が無ければ、入居者に引き渡しを行います。入居者と会社が契約を結んで、入居が済めばリロケーションが始まります。
管理会社からの報告や家賃の入金
リロケーションが始まれば定期的に報告が貸主には入り、家賃も入金されることになります。この時仮にトラブルが起こったとしても業者側で解決されて、トラブルがあったが解決したと言う報告が上がります。
期限が来たら家を受け取り管理会社と契約終了
最後に、リロケーションで契約した期限が来れば、家を受け取って会社との契約が終わります。これによって、リロケーションは終わることになります。
ただし、1つ注意があります。それは帰任する日が決まったら会社に連絡して、契約満了の1年前から6カ月前までに入居者に契約が終了する通知をすることです。こちらは契約の際に会社から言われるかと思いますが、これをしないと引き渡しが出来ないことがあるので忘れない様にしてください。
リロケーションを上手く利用すれば部屋を有効活用できる
リロケーションとは転勤などの事情で空き家となった部屋を期間限定の賃貸にすることを意味しています。また、こちらを利用すればローンを支払えるなどのお得なポイントがあります。一方で、家賃収入が安くなってしまうなどのリスクや手間があります。最後に、リロケーションには初めから終わりまでに5つの手順があります。
リロケーションをすると通常よりも家賃収入が安くなるかもしれませんが、転勤で空き家になる住宅から収入が得られるのは大きなポイントです。ぜひ、リロケーションを利用して、部屋を有効活用してください。