離婚で家を財産分与することの解説!名義やローンはどうなる?

更新日:2020年6月24日

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離婚によって財産分与をするにあたり、家という固定資産は非常に分けづらいカテゴリです。間違いのない方法は、売却して現金を分け合うことですが、諸事情によってそうはいかないこともあるでしょう。また、売却しても、なお住宅ローンの残債が生じる場合は、その返済をどのように取り扱うのかも重要なポイントです。

そこで今回は、家を財産分与するうえでの基本的な考え方から財産分与の流れ、住宅ローンの有無に応じた分与の方法まで詳しく解説します。また、財産分与の方法や、金額によって生じる可能性のある税金についても触れています。離婚後のトラブルを避けるために、詳細を確認していきましょう。

家を売るについて知りたい方は、 「家を売る4つの成功法!家を高く早く売るポイントを解説」 の記事をご覧ください。

離婚で家を財産分与する方法2つ

家の価格や支出の出所に応じて分割する計算をしますが、実際には、その金額通りに財産分与できるとは限りません。これには、財産分与の方法の違いが関係しています。

家を売却し現金化して分ける

最も明瞭かつトラブルが少ない方法は、家を売却して現金化したうえで財産分与を行うことです。計算通りにきっちりと分けられるため、どちらかが損をしていると考える余地がありません。ただし、この方法には「売れるまで分けられない・離婚できない」というデメリットがあることに注意が必要です。

財産分与は婚姻期間中の財産を分け合うものなので、離婚後に売却すると、その代金は分与の対象にはなりません。つまり、売却の物件引渡しや決済が終わるまで離婚できないということです。

不動産会社の仲介によって売却する場合は、査定までに1~4週間、仲介の契約・販売活動・買主をみつけるまでに1~3カ月、売買契約・引渡し・決済に1カ月かかります。合計すると、売却が完了するまでには3~6カ月は必要です。その期間中は、離婚で合意しているにもかかわらず、夫婦で協力して売却活動を進めることになります。

また、「売却額」が「家の取得にかかった費用+売却の経費+特別控除額」を上回る場合は、翌年の申告で譲渡所得税が課税されます。財産分与の不平等をクリアにするためには、この計算も必要です。

家をどちらかが譲り受ける

家を売却せずに、夫婦のどちらかが住み続けるケースもあるでしょう。この場合は、所有者名義を住み続ける側にするのが一般的で、手続きを行うのは離婚後になります。

夫婦間であっても、所有権の移転(譲渡)を行えば贈与税が課税されます。一方、離婚後の財産分与のための譲渡であれば、贈与税は非課税です。そのため、手続きは財産分与とみなされる離婚後に行うことになります。

 

家の財産分与の際に気を付けるべきこと

売却または譲渡によって家を財産分与するときに、気を付けるべきことを解説します。

家の財産分与は購入時の支出を考慮する必要がある

離婚時の財産分与は原則半々で、財産分与自体に有責配偶者か否かは関係ありません。どちらかが有責配偶者にあたる場合は、財産分与自体は半々で行い、有責配偶者へ慰謝料を請求します。

特有財産と共有財産が関係している

「原則半々」というのは、家の購入にかかる支出が「特有財産」と「共有財産」のどちらから行われたかで変わるためです。特有財産とは、結婚前から所持していた財産と、親族等からの相続などで得た個人所有の財産を指します。一方、共有財産は、特有財産以外に婚姻期間中で得た収入全般のことです。

なお、夫婦で完全に別財布というケースもありますが、家事なども完全に折半できているかは曖昧です。そのため、財布が別でも婚姻期間中で得た収入は共有財産とみなされます。

家を財産分与の対象とする場合は、購入代金の全てを共有財産から支出したのであれば半々です。一方、頭金などを特有財産から支出したのであれば、その支出分を考慮して分割します。

不動産価値の下落分は減額調整する

特有財産から支出したとしても、その全額が財産分与時の財産から差し引かれるわけではありません。以下で、具体的な例を解説します。

  • 婚姻期間中に4,000万円のマンションを購入
  • 頭金として、夫側が1,000万円を支出(夫の婚前貯金500万円+夫側両親の援助500万円)
  • 離婚時のマンション価格は2,000万円まで下落

このような場合、夫側の特有財産から頭金として支出した1,000万円を、離婚時のマンション価格2,000万円から全て差し引くと、財産分与の対象は1,000万円になります。しかし、減額分を考慮しないことは法的に不公平になるため、頭金として支出した金額にも減額調整を行います。不動産価格が2分の1になっているため、頭金分も2分の1の約500万円として計上します。

つまり、家に関する財産分与は「2,000万円-500万円=1,500万円」が対象です。これを半々で分けると750万円ずつになります。

譲渡所得税がかかる可能性がある

財産分与のために家を売却するとしても、離婚前に売却を行うため、通常の売却と何ら変わりがありません。そして、家を売却して利益が出た場合は、譲渡所得税の課税対象になります。とはいえ、マイホームを売った場合には特例が設けられており、最大3,000万円まで控除されるため、実質プラスでも譲渡所得税が非課税になる可能性があります

譲渡所得の計算式は次の通りです。

譲渡価格(売却価格)-(取得費+売却にかかった費用+特別控除3,000万円)=譲渡所得

取得費は、家の購入代金や購入時の不動産会社の仲介手数料など、不動産の取得にかかった費用全般を指します。売却にかかった費用は、不動産会社への仲介手数料・登記費用などの経費です。これらの金額と、特別控除額を譲渡価格から差し引き、譲渡所得がプラスになる場合は課税対象になります。

税率は、売却をした年の1月1日時点で5年を超える長期譲渡所得なら、所得税が15%、住民税が5%です。5年以下の短期譲渡所得なら、所得税が30%、住民税が9%です。なお、10年を超える場合には、課税長期譲渡所得金額が6,000万円までの部分は所得税10%・住民税は4%、6,000万円を超える部分は所得税15%・住民税は5%になる軽減措置があります。

贈与税がかかる可能性がある

離婚前に一方へ家の名義を変更した場合は、贈与税の対象になりますが、離婚後に手続きした場合でも贈与税がかかるケースがあります。それは、自宅の所有権が夫婦のどちらでもない場合です。親との共有名義の土地の部分があるなど、夫婦以外の所有権があり、それをどちらか一方の名義に統一する場合は、贈与とみなされます

また、通常の計算以上に明らかに多い財産を分与した場合も、贈与税の対象になる恐れがあります。これは、離婚が形式上で行われ、贈与税や相続税を免れるための手段になる可能性があるためです。

 

家のローンが残っている時どうすれば良いか

財産分与はマイナスの財産も対象になるため、売却しても住宅ローンが残る場合は、その残債分も分け合うことになります。ここでは、その詳細を解説します。

ローン額が売却額よりも上か下かが重要

住宅ローンの残債が家を売却する場合の価値よりも、上になるか下になるかはとても重要です。家を売却して、その代金で完済できる場合を「アンダーローン」といい、残債が生じるのであれば「オーバーローン」といいます。

アンダーローンとオーバーローンでは、家を売却または一方が住み続ける場合でも、対処が異なるため注意が必要です。次の項目から、それぞれ詳しく解説します。

アンダーローンだった場合

離婚時の不動産価値が、住宅ローンの残債を上回っている場合は、家はプラスの財産分与の対象です。その場合の財産分与を、次に挙げる条件を例として解説します。

  • 離婚時の家の不動産価値:2,000万円(※この価格で売れるものとする)
  • 住宅ローンの残債:1,000万円
  • 貯金等の共有財産:500万円
  • 頭金等の特有財産からの拠出なし

<家を売却する場合>

上記の条件で家を売却する場合、家と貯金のプラスの財産総額2,500万円から、マイナスの財産である住宅ローンの残債1,000万円を差し引いた1,500万円を財産分与します。半々であれば750万円ずつです。

ただし実際には、不動産会社への仲介手数料・住宅ローンの繰り上げ返済手数料・登記費用等・譲渡による所得税等がかかるため、それらの費用も組み入れて算出することになります。

<一方が住み続ける場合>

家を売却する場合と同様に、本来の財産分与は750万円ずつです。ここでは、夫が家を離れて妻が住み続けるとして考えてみましょう。妻が住宅ローンの残債も含めて家を受け取り、500万円の共有財産を全て夫に渡したとします。それでも妻は、1,000万円のプラスの財産を得るわけなので、250万円分がオーバーです。

そこで、妻から夫へ250万円分の特有財産を補填として渡します。こうすれば、お互いに750万円ずつを受け取ったことになり、不公平は解消されます。

オーバーローンだった場合

オーバーローンだった場合は、家はマイナスの財産とみなされますが、どのような財産分与になるか、次の条件をもとに解説します。

  • 離婚時の家の不動産価値:1,000万円(※この価格で売れるものとする)
  • 住宅ローンの残債:2,000万円
  • 貯金等の共有財産:500万円
  • 頭金等の特有財産からの拠出なし

<家を売却する場合>

オーバーローンの状態でも、家を売却すること自体は可能です。その家に対して、抵当権を持っている住宅ローンの金融機関の承諾を得て売却する「任意売却」という方法があります。上記の条件でいえば、家の売却額1,000万円と共有財産500万円の合計1,500万円を、住宅ローンの返済にあてても500万円が残債となります。

このように、売却額をもってしてもなお残債がある場合は、借入の名義人が残債の返済を続けなければなりません。その理由は、金融機関は離婚の事実には関係なく、名義人及び連帯保証人に返済請求できるためです。

調停や裁判でも、0円を下回るマイナスの財産について折半する取り決めはないため、請求された側が返済していく他ないという状況になります。

<一方が住み続ける場合>

一方が住み続けるとしても、上記条件の共有財産500万円は、住宅ローンの繰り上げ返済に充当します。つまり、家を離れる側への財産分与は0円です。しかし、それでも残債は1,500万円あります。この残債の返済は、住み続ける側が続けるのが一般的です。本来であれば家を離れる側にも、借入の名義人または連帯保証人として債務が残りますが、その債務を外す手続きに入ります。

家を離れる側の債務を外すためには、金融機関の了承が必要です。了承を得るために、住み続ける側が住宅ローン借入の名義人となり、離婚した配偶者とは別の新たな連帯保証人を立てます。ただし、必ずしも了承してもらえるとは限らないため、住み続ける当人および、新たな連帯保証人の返済能力が審査されます。万が一受け入れられなければ、離婚後も双方に債務が残るため注意しましょう。

なお、このような事情によって、家を離れる側が主債務者となる場合は、住み続ける側が主債務者に対して、住宅ローンの返済分を家賃として支払う方法もあります。

ローン支払いに関する3つの注意点

ローンの支払いを夫婦間で取り決めるうえで、忘れてはならない3つの注意点を紹介します。

抵当権付きの家の売却・ローンの名義人変更は金融機関の承諾が必要

住宅ローンの担保として家に抵当権が付いている場合は、売却や名義変更をするにあたり、住宅ローンの金融機関の承諾が必要です。金融機関からすれば、担保であるはずの家が知らぬ間に売却されていたり、他者に所有権が移されたりすることを許すわけにはいきません。

そのため、各種手続きをする前に説明が求められます。さらにいえば、抵当権付きの不動産は基本的に売却不可能です。売却代金で完済するにしても、抵当権付きのままで買主へ所有権を移すわけにはいかないため、売買の決済・住宅ローンの完済・抵当権の抹消手続きを同時に行うことになります。

これらの手続きを同時に行うためには、金融機関に事前準備を進めてもらう必要があり、当日の立合いも求められます。抵当権付きの家の売却や名義変更を行う場合には、各種手続きを進める前に金融機関に連絡しましょう。

主債務者・連帯保証人への返済請求は避けられない

好ましくないケースとして、家を離れる側が主債務者、または連帯保証人のままにしてしまうという事例があります。家を離れる側が主債務者で、そのうえ連帯保証人も住み続ける側の人物ではない場合は、住み続ける側が知らない内に、返済が滞って家が競売にかけられるリスクがあります。

何らかの理由で、主債務者・連帯保証人の名義を変更できないのであれば、離婚協議書に返済を続ける旨を明記し、公正証書にしておくことがおすすめです。そうすれば、主債務者・連帯保証人に返済を強制執行できます。

保証会社を利用している場合は保証会社との手続きも行う

最近では、夫婦で主債務者・連帯保証人にはならずに、保証会社を利用することが一般的になってきました。この方法では、住宅ローンの契約は金融機関と行いますが、家に抵当権を設定するのは保証会社です。金融機関が用意した保証会社と契約するケースがほとんどで、主債務者が返済不能になると、保証会社が金融機関に対して債務を返済し、主債務者に取り立てを行います。

多くの場合は、住宅ローンの主債務者としての名義人も、保証会社との契約の名義人も同一ですが、夫婦で一方ずつになっている可能性もあるため、確認しましょう。一方が住み続ける場合は、住宅ローンの主債務者の名義と同様に、保証会社との契約の名義も変更しておくことをおすすめします。

 

 

家を財産分与する際の流れ

ここでは、家を財産分与するための一連の流れを紹介します。概要としては以下の順序です。

  • 1. 家の名義を確認する
  • 2. 家の住宅ローン残高と名義人を確認する
  • 3. 家の価値を調べる
  • 4. 財産分与の話し合いを行う

これらの流れを詳しく見ていきましょう。

家の名義を確認する

まず確認すべきことは、家の名義人が誰なのかということです。夫婦のどちらか、あるいは双方、また親族等に持ち分がある場合があります。これは、法務局で登記事項証明書または、登記事項要約書を取得すればすぐにわかります。なお、インターネット登記情報提供サービスを活用して、情報を閲覧することも可能です。

登記情報を取得したり閲覧したりするためには、以下の費用がかかります。

  • 法務局で登記事項証明書を取得する:600円
  • 法務局で登記事項要約書を取得する:450円
  • 登記情報提供サービスで登記情報を閲覧する:335円

ちなみに、インターネットのサービスを利用した場合の費用は、クレジットカードで決済します。

家の住宅ローン残高と名義人を確認する

住宅ローンで重視することは、住宅ローン残高と主債務者の名義人です。また、保証会社を利用している場合には、その契約の名義人も確認します。

ローンの残高は、借り入れた金融機関に問い合わせればすぐに確認できます。名義人は契約書に記載してありますが、これも問い合わせれば確認可能です。

家の価値を調べる

売却するかどちらかが住み続けるかは別として、財産分与の協議をするためにも家の価値を調べる必要があります。不動産会社や不動産鑑定士に依頼して、査定をしてもらいましょう。ただし、あくまでも査定額のため、実際に売却したときの代金までわかるわけではありませんが、財産分与の金額の目安にはなります。

住み続ける側であれば、財産分与という性質上、高値で売れたほうがよいとも限らないのですが、あとからもめないためにも、参考になる査定はいくつかそろえることをおすすめします。

査定を依頼する先で迷ったときは、一括査定サイトの「イエウール」を活用してみましょう。厳選された1,600社の中から、無料で最大6社まで査定を依頼できます。

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財産分与の話し合いを行う

資料が出そろったところで、夫婦間で財産分与の話し合いを行います。

財産分与について協議する

財産分与について、次のような項目を協議して取り決めます。

  • 家を売却するか、どちらかが住み続けるか
  • 売却しても住宅ローンが残る場合の返済をどうするか
  • 住み続ける場合は家の所有権を移転するか否か
  • 共有財産も含めた分与の割合をどうするか

その他、離婚をスムーズに進めるために、離婚後の生活に対する補助としての財産分与を考慮するケースもあります。また、財産分与とは関係ありませんが、どちらかが有責配偶者であれば慰謝料、別居期間があれば婚姻費用の未払い分などの話し合いも必要です。これら離婚協議書にまとめて公正証書にすると、その内容は法的拘束力を持ちます

協議でまとまらない場合は調停・裁判へ進む

夫婦間の協議ではまとまらない場合は、調停または裁判に進みます。どちらも裁判所で行うものですが、調停は「当事者間での決定に裁判所が立ち会う」というニュアンスであるのに対し、裁判は双方の意見を聞いた裁判所が決定を下します

気を付けなければならないことは、調停は非公開であるのに対し、裁判は法廷で公開されるという点です。公開されるということは、傍聴人がいる可能性があります。

なお、調停でも裁判でも、その場で決定した内容の法的な効力は、確定判決と同等です。これにより、一方が約束を反故した場合には、相手は裁判なしで強制執行手続きに入ることができるようになります。

 

家の財産分与は手間がかかるので早めに準備する

 

家の財産分与にあたっては、どちらかが住み続ける場合でも、査定に最低1~4週間はかかります。また、売却する場合は目安として3~6カ月が必要です。

そのうえで離婚の協議を行い、協議書をまとめて実際に財産を分与することになるため、非常に手間がかかります。よって、お互いが冷静なタイミングで話し合いを進め、できることから早めに準備しましょう。

とくに売却する場合は長期戦になることは確実なので、お互いの手間をできるだけ省くために、一括査定サイトなどを活用して、他者の手も借りることをおすすめします。

もっと詳しく知りたい方は、「古い家を売るには?売る方法を4つ紹介!注意点やコツもわかりやすく解説」の記事をご覧ください。

また、「中古住宅の注意点を解説!物件探しや契約をする前に知っておきたいこと」という記事や「旦那名義の家は財産分与できるか|分与時のポイントや注意点を解説」という記事もご覧ください。

他にも以下の記事をご参考にしてみてください。

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